私は、喘息の持病があるので、毎日薬を服用しています。
ある日ふと、「せっかく中国に住んでいるのだから漢方で喘息が治るものなのか、試してみてもよいのではないか」と思い立ち、漢方薬を処方してくれる病院へ行ってみました。
まずは、基本単語の確認です。
単語説明
「中薬(zhong1yao4/ジョンヤオ)」で、「漢方」の意味。
解説:日本では、「漢方」という呼び方が一般的ですが、中国語ではあまり使われません。
「中医(zhong1yi1/ジョンイー)」で、漢方医の意味。
解説:「中医」は、漢字だけを見ると「中国の医者」という意味にも見えますが「中药の医者」の省略形で「漢方医」の意味になっています。
では、問診に必要な中国語を考えてみましょう。
漢方医に診てもらうときの中国語
例文1:「吸 冷 空气 就 咳嗽、 胸痛。」
(xi1 leng3 kong1qi4 jiu4 ke2sou xiong1tong4)
「シー ラン コンチー ジョウ クーソウ、 シオントン」
意味:「冷たい空気を吸うとせきが出て、胸が痛みます。」
単語説明
「吸(xi1/シー)」は、「吸う」という意味の動詞。
「〜〜就(jiu4/ジョウ)」は、「〜〜をすると」の意味で、前後の文の橋渡しの単語。
解説:「A+就+B」で、「AをするとBになる」の意味です。
例文1の場合、「冷たい空気を吸う(A)」と「咳がでる(B)」の「A」「B」の文を「就」でつなげています。
「咳嗽(ke2sou/クーソウ)」は、「咳をする」という意味の動詞。
解説:「咳嗽」の発音(ke2sou/クーソウ)を、(ku2suo3/クースオ)と間違って覚えている方が多いです。
正しい発音でないと、お医者さんに通じませんので注意して下さい。
自分の症状について説明するのは、多少の中国語力があればなんとかなります。
問題は、症状を簡単に説明した後なんですね。
今度は、お医者さんのほうから、たくさんの質問をされます。
漢方医が聞いてくる質問
例文2:「每天 你 几点 起床? 几点睡着?」
(mei3tian1 ni3 ji3dian3 qi3chuang2 ji3dian3 shui4jiao4)
「メイティエン ニー ジーディエン チーチュアン ジーディエン シュイジャオ」
意味:「毎日 何時に起きて、何時に寝ていますか?」
単語説明
「几点(ji3dian3/ジーディエン)」は、「何時」の意味。
「起床(qi3chuang2/チーチュアン)」は、「起きる」という意味の動詞。
「睡着(shui4jiao4/シュイジャオ)」は、「寝る」という意味の動詞。
例文3:「你 最近 爱 发脾气 吗?」
(ni3 zui4jin4 ai4 fa1pi2qi ma)
「ニー ズイジン アイ ファーピーチ―マ?」
意味:「あなたは、最近怒りっぽいですか?」
単語説明
「爱〜〜(ai4/アイ)」は、「〜〜しやすい」「〜〜しがち」の意味。
解説:「爱〜〜」は、「〜〜するのが大好き」が転じて、「〜〜しがち」の意味になっています。
中国語の「爱」は、日本語の「愛」と形が少し異なりますので、書く際にはご注意を。
「发脾气(fa1pi2qi/ファーピーチ―)」は、「人にあたる」「癇癪を起こす」という意味の動詞。
日本のお医者さんの問診と違って、漢方の先生の問診では、例文2,3のような、日常の生活習慣についていろいろ質問されます。
例文2,3の他にも、「薬の処方と直接関係があるのだろうか」と首をかしげたくなるような、不思議な質問が続きます。
例えば、「食習慣はどんなか?」「汗をかくか?」「どんな仕事をしているのか?」「便通は?」「どんな形の便が出る?」などなど。
関係なさそうな質問もたくさんするのは、なぜなのでしょうか?
西洋医学では、患者の「咳」や「頭痛」などの特定の症状を治そうとしますが、漢方の医学では、特定の症状を治すだけでなく体全体の調子を整えようと考えるようです。
それで、患者の体に合わせたオーダーメードの漢方薬を処方するため、患者が訴える症状と直接関係ないこともいろいろと問診されるんですね。
西洋医学に慣れていたので、漢方の先生の問診は新鮮でした。
なにか特定の症状はないけれど、どうも調子がよくないというときにも漢方治療はお勧めです。
そんなときは、漢方の先生に例文4のように伝えましょう。
体調がいまいちと伝える中国語
例文4:「我想 调理 一下 身体。」
(wo3xiang3 tiao2li3 yi1xia4 shen1ti3)
「ウオシャン テャオリー イーシア シェンティ」
意味:「体の調子を整えたいです。」
単語説明
「调理(tiao2li3/テャオリー)」は「養生する」という意味の動詞。
解説:「调理身体」で、「体の調子を整える」の意味でよく使われています。
先生に細かい症状を伝えなくても、例文3を使うと、「体調がいまいちで、どうにかしたいんだな」と分かってもらえますよ。
私は色々な問診をして、脈や舌の色の診断をしてもらったあとに、20種類くらいの漢方薬を処方してもらえました。
保険適用無しで、問診が10元(130円くらい)で、1日3回の薬が5日分で100元(1300円くらい)でしたので、日本で漢方治療するよりもかなりお得だと思います。
もちろん、喘息以外にも様々な体調不良に対応してくれるので、本場中国の漢方を試してみるのもいいと思いますよ。
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