中国語には、誰に使っても差し障りのない、「〜〜さん」に相当するちょうどよい単語がないので困ることがあります。
その点、日本語の「〜〜さん」という言葉はとても便利だと思います。
男性にも、女性にも使えますし、仲の良い人にも、初対面の人にも使っても問題ないですもんね。
中国語では、男性を呼ぶ際には「〜〜先生」、女性を呼ぶ際には「〜〜女士」という呼び方が有りますが、使われ方は日本人のイメージとは異なります。
相手を呼ぶ時の表現
例文1:「〜〜先生」
(〜〜xian1sheng)
「〜〜シエンシェン」
意味:「(男性に対して)〜〜さん」
例文2:「〜〜女士」
(〜〜nv3shi4)
「〜〜ニューシー」
意味:「(女性に対して)〜〜さん」
例文1,2は、辞書では「〜〜さん」となっているので、日本語の「〜〜さん」を使うのと同じ感覚で、これを自分より年下の中国人の方に対して使うとどうなるでしょうか?
ものすごく恐縮されたり、思いっきり手を振って否定され、「いやいやそんな呼び方は恥ずかしいからやめて下さい」と言われたりすることが多いです。
例文1,2には、かなり目上の人に対して用いる丁寧な響きがあるようなので、同世代や年下の人に対しては、ほとんど用いられません。
だからといって、相手をいきなり呼び捨てにするというのも勇気が要りますよね。
そこでいい方法があります!
相手を何と呼んだらいいのか分からないときに使える表現
例文3:「我 怎么 称呼 你?」
(wo3 zen3me cheng1hu1 ni3)
「ウオ― ゼンマ チェンフー ニー」
意味:「あなたのことを何と呼んだらいいですか?」
単語説明
「怎么(zen3me/ゼンマ)」は、「どのように」という意味で、方法を尋ねる際に用います。
「称呼(cheng1hu1/チェンフー)」は、「呼び方」という意味。
例文3のように尋ねると、人によっていろいろな答えが返ってきます。
自分をこう呼んで下さいと言うときのフレーズ
例文4:「小王 就 可以。」
(xiao3wang2 jiu4 ke3yi3)
「シャオワン ジョウ クーイー」
意味:「(呼び方は)小王でいいよ」
単語説明
名前の前に「小」をつけると、年下の人を呼ぶ呼称になります。
日本語で言うと「〜〜くん」や「〜〜ちゃん」のようなニュアンスですね。
「小〜〜」は、相手が男性でも女性でも用いることができます。
解説:例文4は、年下の「王」さんが、自分を「王くん」もしくは「王ちゃん」と呼んで下さいと言っている感じです。
例文5:「叫 我 扬丽」
(jiao4 wo3 yang2 li3)
「ジァオ ウオ ヤンリー」
意味:「(私を)杨丽と呼んで」
単語説明
「叫(jiao4/ジァオ)」は、「呼ぶ」という意味の動詞。
この例文5は、名字が「杨」、名前が「丽」という方の場合で、つまり「自分をフルネームで呼んで」ということになります。
日本では、「フルネームで自分を呼んでください」という人はほとんどいないと思いますが、中国人は名字も一文字、名前も一文字の人が多いので、例文5のように言われるパターンも結構あります。
例文6:「叫我Cyndi」
(jiao4 wo3 Cyndi)
「ジァオ ウオ シンディー」
意味:「シンディーと呼んで」
中国人の中には学生の時に、英語の授業で使用した英語圏用の名前を持っている人も、結構います。
それで外国人には、そちらの名前のほうが覚えやすいだろうということで、気を利かせて英語名を教えてくれる人もいます。
相手をなんと呼んだらいいか困った時は、例文3の「我怎么称呼你?(ウオ― ゼンマ チェンフー ニー)」を使って、相手になんと呼んでほしいのかを、直接聞きましょう。
その方との距離も縮まって、仲良くなれますよ。
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