中国に対しては、人それぞれ色々なイメージがおありのことと思います。
中国に関する様々な印象の中でも、共通している部分はきっと、「中国では、列に並べない人が非常に多い!」という点ではないでしょうか?
外国のイメージは、とかくイメージが先行しているだけで、行ってみたら実際は大分違う、ということもあるかと思います。
ただし、中国の「列に並べない」、この点に関して言えば、まさにイメージ通り。
むしろ、中国で実際に生活してみると、列に並べない、割り込みをする、人を押しのける、これらが、私の想像をかなり上回っていて、とっても驚きました。
例えば、中国の都市部であれば文字通りどこにでもある、アメリカの大手スーパー「沃尔玛」でのこと。
単語説明
「沃尔玛(wo4er3ma3/ウオアーマ)」は、世界最大のディスカウントスーパー「ウオールマート(Wal Mart)」の意味。
この「沃尔玛」に夕方以降の混雑時に買い物行くと、日本人ならびっくりすることは間違いありません。
夕方から夜にかけて、レジの混雑がかなりひどいので、列に並べない中国の方が続出。
私は、ウオールマートのある日のたった一度の会計で、3組にずるこみをされたことがあります……
列に隙間を作らないようにしていたのに、中国の方は、本当にたくましい……。
隙間を作ってなかったのに、なぜ私は割り込まれたと思いますか?
その日の3組の割り込みのうち、最初の割り込みの2人組の方をご紹介しましょう。
そのお二人は私が並んでいるレジに、カートにたくさんの商品をのせてやってきました。
彼らは私の後ろにカートを置いて、そのうちの1人がカートから1つの商品だけをもって、私の横をすりぬけてレジのお姉さんに近づいていきました。
「その商品の値段でも聞きたいのかな?」と思っていたのですが、実際はその瞬間にもう割り込まれていたんですね。
どういうことかというと、レジに近づいた1人が手に持った商品の値段を尋ねる「ついで」に、なんともう1人の方がカートに残っていた全ての商品も、手でレジまで運びはじめて、全商品のレジを始めたのです。
あぜん……
なんと言うか、そんな大胆な割り込みの方法、想像もしないですよね。
いや、その前に、なぜレジのお姉さんも、その人たちのレジを受け付けてしまうのでしょうか?
お姉さんの目の前で、割り込んだの見ていたと思うのですが……。
2重の意味でビックリ……。
このように中国では、割り込みが日常茶飯事。
中国で割り込みをされたら、あなただったらどうしますか?
嫌だけど、しょうがないから何も言わないでおくという方もいれば、何か言いたい方もいるでしょう。
中国で割り込みされたときに使う中国語
1、「请 你 排队。」
(qing3 ni3 pai2dui4)
「チン ニー パイ ドゥイ。」
意味:「順に並んでください。」
単語説明
「请(qing4/チン)」は、英語の「Please/プリーズ」に相当して、動詞の前において丁寧な表現にする単語。
「排队(pai2dui4/パイ ドゥイ)」は、「順に並ぶ」「列をつくる」という動詞。
解説:中国の方は、体をぶつけて強引に割り込んでくることは少なく、並んでいるこちらの目の前の空間にとっても自然に入ってくるので、割り込まれたことにこちらがすぐに気付かず、しばらくしてからずるこみをされた事実に気づくことがあります。
そんなとき、「请 你 排队。」のフレーズを使ってください。
2、「大家 都 在 排队。」
(da4jia1 dou1 zai4 pai2dui4)
「ダージャー ドウ ザイ パイドゥイ」
意味:「みんな、並んでいるんですよ。」
単語説明
日本では「大家」と書くと、アパートの「大家さん」を表わしますが、中国語では同じ漢字でも意味が異なります。
「大家(da4jia1/ダージャー)」は、「みんな」「皆さん」の意味。
「都(dou1/ドウ)」は、「みんな」「すべて」の意味。
「大家 都(da4jia1 dou1/ダージャー ドウ)」で、「みんながみんな」「すべての皆さん」という意味。
「在〜(zai4/ザイ)」は「〜している」という進行形を表わす単語。
「在排队(zai4 pai2dui4/ザイ パイドゥイ)」で「順に並んでいる」という進行形。
解説:中国人に割り込みをしたことを指摘しても、恥ずかしいそぶりをみせたりはしません。
すぐに非を認めて、そこから立ち退こうともしません。
このフレーズで、「他のみんなも並んでいるんだから(あなたも並んでね)」というと、ようやく列の後ろに戻ってくれることが多いです。
上記の表現を用いるときのコツ
こちらが怒りながら「並んでください。」とか「みんな、並んでいるんですよ」というと、相手を意固地にならせてしまう場合があります。
むしろ、笑顔で親切な口調で、相手の良心に訴えかけるようにいうと、相手の方の良い一面を引き出しやすく、割り込みを断念して下さることが多いです。
やはり、割り込みという行為が、あまり良いことではないと少しは感じておられるようですね。
中国人に割り込みをされるたびに、「並んでください」といちいち言うとこちらも疲れるので、そもそもやたらと割り込まれないように、中国では列にはあまり隙間を作らないで並ぶことをお勧めします。
中国では、わざわざ混雑時に買い物に行かないというのも、割り込まれるストレスを減らすのに役立つと思いますよ。
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