中国語の「聴いて、書きとる」トレーニングでは独特の難しさがあります。
英語の場合ですと、聞いたことがない単語や表現に出くわしても、とりあえず適当なアルファベッドを書きこめば、書きとりは前進していきます。
前進するので、達成感も得やすいしょう。
しかし、英語とは異なり中国語には、4つの声調と軽声(けいせい)と呼ばれる音、合わせて5種類の音があります。
ピンイン(中国語のフリガナ)を使った表記は同じでも、それぞれの文字に声調、つまり5種類の異なる音の高さと変化があります。
中国語のリスニングでは、それらの違いを聴き分けなければなりません。
例えば、「我想〇〇。」と「我像〇〇。」について考えましょう。
ピンインで書くと、両方とも「wo xiang 〇〇。」で同じ表記になります。
読みは、両方とも「ウオ シャン 〇〇。」
しかし、双方の声調と意味は、まるで異なります。
一つ目の「我想〇〇。」
この「想」の声調は、第三声で低い音です。
意味は「私は、〇〇をしたい。」もしくは「私は、〇〇が欲しい」という意味になります。
2つ目の「我像〇〇。」
この「像」の声調は第四声で、高い音で始まり、低い音で終わる音です。
「私は、〇〇のようだ。」という意味になるのですが、声調の聴きわけが出来ないと、書きとる漢字が「想」なのか「像」なのか判断も出来ず、文全体の意味も思い描けなくなります
実際のところ、声調の聞きわけは、慣れていないうちは本当に難しいですよね。
では、どうすれば正しく聞き分けられるでしょうか?
ヒントとなる経験を、ご紹介します。
不思議なことに、中国人のネイティブに
「今のは、声調で言うと第何声?」
と尋ねると、かなりの確率で間違った答えが返ってきます。
それにもかかわらず、私が声調を間違うと
「え?なんて言ったの?」
と、通じないんです。
彼らは、声調が第何声なんて全く意識しなくても、ちゃんと正確に聞き分けています。
つまり、子どものころから聞いてきた声調が、もう耳に染みついているんですね。
この声調を聞き分けるには、遠回りのようですが、発音の正確な中国語を出来るだけたくさん聞いて、正しい声調と発音を脳に叩き込むしか無いんですよね。
聞き込んでいるうちに、自然と4つの声調と軽声を聞き分けられるようになりますので、地道に頑張りましょう。
中国語がペラペラになれる勉強法はこちら